COLD CASE

海外ドラマのCOLD CASE。
リリーの過去のトラウマについて、
知恵袋に投下したんだけど。
小説風にしたいから、
日記にも載せておきます。
アドバイスを頂いたので、
少し手を加えています。
知恵袋で見た方も、
もう一度見てやって下さい。




夜、小さなリリーは母に
お使いを頼まれ家を出て店へと向かった。
いつも歩く町並みは、静まり返っていて
馴染めない恐怖を抱えて歩いて行く。
冷たい風が頬を撫でる。
普段感じている風と同じ風なのに、
どことなく初めて当たる風のようだった。
いつもは明かりが付いている家も、
夜中では流石に明かりが消えていた。
寝静まった住宅街を進んでいく。
頼りなのは等間隔に設置された街灯の
心無い光だけを辿って行った。
近所のおばさんも、仲良しの友達も、
凍ったような静かな街でひっそりと
息を殺してすやすやと寝ている。
今となっては、母のお使いに進んで
行くと言い出した自分を憾んでいた。


ぴゅーぴゅーと獰猛な獣のように
小さなリリーを威嚇する風。
その風を避けるように歩いて行くと、
辿り着くべき店から遠ざかっていた。
風が止み、ふと周りを見渡すと、
そこは見知らぬ森の中だった。
リリーの何倍もの大きい木が、彼女を
帰すまいと風に靡いて大きく揺れ動く。
ざわざわ…ざわざわ…。
自然の脅威に怯えつつも、
小さな足取りで街へと歩み始める。
一歩、また一歩。けれど、いくら歩いても
森の景色は一向に代わり映えしなかった。更に奥へ。また更に森の中へと歩く。
泣きたい気持ちをぐっ…と我慢し、
彼女は広い森の中を彷徨い続けた。


次第にぞくぞくと背中が震え始めた。
彼女の小さな背中の向こうには、
蛇のようにそっと忍び寄る犯人がいた。
恐い…恐い…怖いっ!!!!
心の片隅の方で小さくそう思っていると、
彼女の歩みは僅かに速度を増していた。
そんなリリーを逃がすまいと、
足音を掻き消しながら犯人は忍び寄る。
第六感と言うべきか、何かを感じ取って
唐突に後ろへと振り返った。
だが、そこにいたのは、大きな男だった。
彼女からして見ると、
木の様に大きく立ち塞がっていた。
リリーが力いっぱい突き飛ばしても
びくともしないであろう躯を眸の前に、
逃げろ、と言う本能が掻き立てた。


すぐに逃げられれば苦労はしない。
男の威圧感に圧倒されてしまった
小さな躯は、竦み上がってしまったのだ。
がくがくと力の入らない足で
少しづつ後退ったが、駄目だった。
リリーの顔程もある大きな手は
彼女を捕まえようと確実に狙っていた。
迫り来る大きな手に捕まる瞬間、
足が羽のように軽くなった感じがした。
竦んだ足をばたばたと地面に叩き付け、
リリーは息が切れても目一杯走った。
異形を放つ冷たい風すらも斬り裂き、
大きな大木の足元をすらすらと器用に
駆け抜ける。樹海の迷路を抜けた先には、
凄く逢いたかった母が彼女を待っていた。


でも既に男の手中で走っていた。
地面から浮いた足を勢いよく振る。
両手で力いっぱい男を殴る。
だが、そんなリリーを片腕でひょいと
持ち上げてしまい、どこかへ連れて行く。
眸が真っ赤になるぐらい、
沢山の涕が頬をゆっくりと伝う。
『おかあさん』『たすけて』
何度も何度も声を枯らして泣き叫んだが、
声は反響もせずに虚しく消えていった。
喉が腫れて痛くなるだけで、
差ほど遠くには声が届かなかった。


遠くなる意識に、不安を掻き立てる風。
早く夜が明けて欲しいと願うが、
待てども待てども夜明けはやって来ない。
そう、小さなリリーは真っ暗な部屋に
監禁されてしまったから。
知らない部屋、知らない場所、
知らない男、知らない時間。
言うまでもなく無言と祈りの時が刻まれ、
彼女は小さな両手を組んで祈る。
『かみさま…たすけて。』
『わたし、なにかわるいことしたの?』


暫く一人きりにされていた。
彼女が部屋の隅で小さく祈っていると、
拉致した男が部屋に入ってきた。
にこにこと笑い、彼女を撫でようとした。
…が、リリーは躯を反らして避けた。
すると男は怒りながら、
大きな手を再びリリー目掛けて伸ばす。
避けてはいけない。避けたら殺される。
小さい彼女は、彼女なりの解釈で
ただ…男の言いなりになるしかなかった。






今日は、沢山打ち込んだので
MELL姉さんの歌詞はおやすみです←